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最高裁判所第三小法廷 昭和54年(オ)332号 判決

上告人

富士興業株式会社

右代表者

米田祐成

右訴訟代理人

宮崎保興

鎌田哲成

被上告人

北九州市

右代表者市長

谷伍平

右訴訟代理人

身深正男

主文

原判決を破棄し、本件を福岡高等裁判所に差し戻す。

理由

上告代理人宮崎保興、同鎌田哲成の上告理由第一について

一原審は、上告人が昭和四五年二月一八日頃被上告人に到達の書面をもつて被上告人に対してした原判示の本件土地についての売買予約完結権の行使の効力を判断するにあたり、昭和三八年一一月一一日に上告人と被上告人との間で本件土地につき賃貸借契約のほかに売買予約(以下「本件売買予約」という。)が締結されるに至つた事情、その後における上告人の本件土地使用の状況、昭和四四年一二月四日に本件土地が国鉄山陽新幹線の用地となることに決定した前後の事情等を確定したうえ、(1) 本件売買予約は、本件土地に隣接する原判示の代替地上に上告人がほぼ二年内に新富士ビル(以下「新ビル」という。)を建築し、本件土地を新ビルと一体のものとして利用することが前提となつていた(原審は、このことを新ビルの建築完成及び右ビル経営上必要な駐車場等用地とすることが本件土地買受けの一種の条件となつていた、とも判示している。)が、上告人は、新ビルの建築について北九州市建築主事の建築確認を受け昭和三九年七月二〇日には業者との間で工事請負契約を締結したにもかかわらず、代替地の売買契約と本件土地の賃貸借契約とが成立したのちも数年間右建築に着工しないままで推移したこと、(2) その間、本件土地が新幹線の用地として国鉄に買収されるという、当事者双方の全く予想せず、しかも、いずれの責にも帰することのできない事情が生じ、そのために本件土地を新ビルの裏地として一体的に利用するという目的が実現不能となつたこと、(3) 本件土地の取引価額は、本件売買予約が成立した当時からみると大幅に高騰しており、昭和四八年九月二二日に福岡県収用委員会によつてされた本件土地の土地収用法による収用裁決における損失補償額の単価は一平方メートルあたり約一三万九三五七円であつて、売買予約における約定代金額(坪当り八万円)と比較すると六倍弱になるため、上告人による予約完結権の行使の効果を是認するときは、上告人は、当初の目的のとおりに本件土地を現実に利用することもないまま一億二二四六万三二〇〇円の損失補償金を取得することとなり、地方公共団体である被上告人の所有する土地によつて前記約定代金額との差額である約一億〇一〇〇万円を利得する結果となるのであるが、このような事態と本件売買予約が締結された原判示の覚書作成当時にその基礎として認識された事情との間には大きなへだたりがあること、の諸点を挙げて、本件売買の完結時点においてなお当初の合意の効力を認め、ひいて予約の完結により成立する売買契約の拘束力を認めることは信義衡平の原則に照らして相当でなく、予約完結権を行使することは許されない、との判断を示し、右予約完給権の行使が有効であることを前提とする上告人の各請求を排斥した。

二しかしながら、原審の右判断は民法一条二項の解釈、適用を誤るものであつて、たやすくこれを是認することができない。その理由は次のとおりである。

1  原審は、(1) 上告人が代替地上に建築する新ビルの完成後、本件土地はその裏地としてこれと一体的に利用され、ビルの経営に必要な駐車場等の用地として使用することが本件土地買受けの一種の条件となつていたとして、そのような目的に供することが不可能になつたことを重視するのであるが、本件土地を将来右のような目的に用いることが上告人と被上告人の双方に了解されていたからといつて、そのことから直ちに、右利用目的をもつて本件売買予約が本件土地を右の用途に供することが不可能になることを解除条件とする意味における条件としたものと解することはできず(原審もまた、右のような趣旨において条件の語を用いたものではないと解される。)、のちに判示するように、被上告人が本件土地につき上告人との間で売買予約を締結するに至つた動機が、本件土地の所在位置からして本件土地を被上告人において所有した場合の利用価値が将来低下することが予想されたため、これを回避するにあたり、むしろ被上告人からの要望により上告人が買受けることを承諾したものであるとの考慮するならば、新ビルのための用地として利用することができなくなつた点を過大視するのは相当でない、というべきである。(2) また、原審は、上告人が本件土地につき賃貸借契約と売買予約とを締結してのちも数年間新ビルの建築に着手しなかつたことを予約完結権の行使が信義則違背となるべき事情の一つに挙げている。しかしながら、原審の確定したところによれば、上告人と被上告人とは、昭和四〇年一一月に、従来、覚書の形式にとどめていた本件土地の賃貸借を正規の契約書に書き改めることとして、本件土地につき期間を昭和四二年一二月三一日までとする賃貸借契約を締結したのち、本件土地が新幹線の用地となることが公表される直前の同四四年一一月一日には期間を同四六年三月三一日までとする賃貸借契約を重ねて締結したのであるが、その際、本件売買予約について予約完結権の行使の期間に制限を加えるなど予約の内容に変更を加え、又は予約を失効させるなどの措置が講じられたことは、原審の認定しないところである。したがつて、被上告人は、本件土地につき右の賃貸借契約を締結した昭和四四年一一月ころも、特段の事情のない限り、上告人の新ビルの建築着手の遅延を承認しており、また、本件売買予約の効力を制限する意図はなかつたものといわざるをえない。(3) 次に、原審は、本件土地の価額が売買予約の成立の時点と比較して高騰したことを予約完結権の行使が信義則違背となるべき事情の一つに挙げている。しかしながら、本件売買予約の完結時における時価(もつとも、原審が比較の対象として取り上げた本件土地の価額は前記のように土地収用法に基づく収用裁決に定められた損失補償の額であるが、その価額は、上告人が予約完結権を行使した後三年を経た昭和四八年二月九日の時点のものである。)が右予約締結権に定められた代金額の六倍弱の程度になり、それが当事者双方の責に帰することができず、しかもその予想を超えた事情に起因するものであつたとしても、原審の確定した事実関係のもとにおいては、右の程度の金額の差異をもつてしてはいまだ予約自体の効力に影響を及ぼすものと解することはできず、このことは、予約の目的である本件土地が地方公共団体である被上告人の所有する土地であるか否かにかかわらない。(4) しかるところ、原審の確定するところによれば、被上告人は、本件土地の位置が被上告人から上告人に売り渡された代替地と国鉄鹿児島本線の鉄道線路用地との間にはさまれた場所にあり、代替地に上告人によつて新ビルが建築されると、本件土地はビルの裏地になつてしまい、その利用価値が低下するところから、本件土地が効果的に利用されるためには上告人にこれを買取つてもらうのが最良の策であると考え、上告人に買取り方を要望したところ、上告人においてこれを承諾し、本件売買予約が締結されたという事情がある、というのである。

2  以上のような諸事情を彼此考較するときは、上告人が思わざる利益を得ることになるとしても、他に特段の事情のない限り、上告人のした本件売買予約の完結権の行使が信義則に反して許されないと解することはできない、というべきであり、これと反対の見解に出て、上告人の予約完結権行使の効力を認めなかつた原判決には民法一条二項の解釈、適用を誤つた違法があるものといわざるをえない。

三そして、右違法は上告人の主位的請求及び予備的請求を棄却すべきものとした原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、原判決は、その余の論旨につき判断を加えるまでもなく、破棄を免れないところ、本訴請求の当否についてはなお審理を尽くす必要があるので、本件を原審に差し戻すのが相当である。

よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(寺田治郎 環昌一 横井大三 伊藤正己)

上告代理人宮崎保興、同鎌田哲成の上告理由

第一 原判決は上告人と被上告人間において、北九州市小倉区浅野一丁目八番一宅地1056.08平方米の内878.77平方米(265.73坪以下本件土地という)について、売買一方の予約の成立を認めながら右予約に基く上告人の予約完結権の行使を信義誠実の原則に反する旨判示したのは、左の通り民法第一条の解釈適用を誤つた違法があるのみならず、理由不備乃至は審理不尽の違法があり破棄を免れない。

一 原判決は本件土地の売買予約後(1)「本件土地が新幹線用地として買収されるという契約当事者が全く予想しなかつた、そして当事者いずれの責にも帰しえない事情変更を生じ」たこと、(2)「その結果本件土地を新富士ビルの裏地として一体的に利用するという目的は実現不可能であることが明らかになつたこと」、又右事情変更のあらわれとして(3)「本件土地の取引価額は覚書作成当時からみて大巾に高騰し……中略……覚書に定める代金額と比較し六倍弱の高騰を示し……中略……控訴人の予約完結の効果を是認するときは、控訴人は当初の目的である本件土地の現実の利用は経ないまま損失補償金を取得し、……中略……売買代金との差額総額約一億〇一〇〇万円の利益を得る結果となる」こと、以上(1)乃至(3)を理由として予約完結権の行使は信義則に反し許されないと判示している。

しかしながら原判決のように適法に成立した売買予約についてその後の事情変更を理由として予約完結権の行使を許さないとした場合その効果は第一審判決が所謂事情変更の原則を正面から適用して売買予約の完結権行使によつて生じた売買契約そのものが解除されたものとなしたのと何等変りがなく、従つて予約完結権の行使が許されない理由についても所謂事情変更の原則によつて契約の解除が認められる場合と同等の理由が必要であることは謂うまでもない。

ところで事情変更の原則については「主として債権関係を発生せしむる法律行為がなされた際に、その法律行為の環境たりし事情が法律行為の後其効果完了以前に当事者の責に帰すべからざる事由により予見し得ざる程度に変更し、其結果当初の意義に於ける法律効果を発生せしめ、又はこれを存続せしむることが信義衡平の原則上不当と認めらるる場合において其法律効果を信義衡平に基づきて変更せしむることをいう」(勝本・民法における事情変更の原則五六七頁)とされ、その一般的要件としては

(1) 契約成立当時その基礎となつていた事情が変更すること

(2) 事情の変更は当事者の予見した又は予見しうるものでないこと

(3) 事情変更が当事者の責に帰することができない事由によつて生じたこと

(4) 事情変更の結果、当初の契約内容に当事者を拘束することが信義則上著しく不当と認められること

が必要とされる。(五十嵐契約と事情変更一五三頁以下)

右要件を本件にあてはめた場合右(1)乃至(3)の要件についてはほぼその事実関係からこれを是認することができるが右(4)の要件は本件の事実関係からは到底これを是認することはできないのである。即ち

(1) これまで判例(概ね下級審であるが)において事情変更の原則が適用されたケースはほとんどが不動産について戦前又は戦時中に長期間の期間の定めのある売買一方の予約が成立し、戦後のインフレという異常事態に直面したものであつて、その場合当初予定された代金額と予約完結時における不動産の時価とが一〇〇倍以上に高騰している場合がほとんどである。(原審における控訴人の昭和五一年五月六日付準備書面)

ところが本件の場合予約に定められた売買の代金額と予約完結時における時価との差は六倍弱にすぎず、等価関係の破壊はおよそ問題にならないと謂つても過言ではない。

(2) 次に原判決は上告人が予約完結権を行使し得ない理由として本件土地を新富士ビルの裏地として一体的に利用する目的は実現不能となつたと判示している。

原判決のいう契約目的とは「本件土地を新富士ビルの裏地として一体的に利用する」ことにあることは明らかであるが(その事実認定の当否についてはともかく)右一体的利用が不能になつたからといつて当然には予約完結権の行使が許されないことにはならない。そもそも双務契約における各当事者の第一次的な目的は反対給付を受けることにある。これを本件の場合についていえば、上告人については売買代金支払義務であり、被上告人については本件土地の引渡及び所有権移転登記義務である。

本件売買予約の成立に至る過程については、原判決も認定している通り「覚書成立の基礎にはむしろ被上告人側の積極的な要請があり」右積極的な要請とは右予約が成立した昭和三八年一一月当時としては破格の値段である坪八万円という被上告人側の土地区画整理事業の経費を換地面積で割つて一方的に算出した価額をもつて上告人に土地を引取らせることにあつたことは証拠上極めて明白である。

即ち原審の認定したところによれば、被上告人は博労町の道路拡張工事と国鉄小倉駅北口周辺の土地区画整理事業とを一連の事業として行い、右道路拡張工事の用地として博労町の上告人所有地を買収する一方、駅裏地区において被上告人が取得すべき予定地を上告人に代替的に提供する計画を定めていたというのである。

従つて被上告人側では右駅裏地区において取得すべき予定地を博労町線の道路拡張工事の用地に対する代替地として提供する一方一連の事業として行われた土地区画整理事業の経費捻出のためこれを売却する必要があつたことは明らかであつて、この点については原審における〈証拠〉に照らしほとんど争いのないところである。

従つて、本件売買予約の目的は第一次的にも第二次的にも被上告人側においては、売買代金の受領につきているのである。

(3) 一般的に不動産売買において買主がその目的物をどのように処分し利用するかは売主側からみた場合、およそ副次的なものであつて、原判決が認定する如く単に本件土地が九階建の新富士ビルの裏地として一体的に利用されることが不可能になつたからといつて即売主たる被上告人の側から契約を消滅させなければならないとか、買主たる上告人の予約完結権の行使を許さないことにはつながらない。

即ち、原判決がいうように本件売買予約の締結にあたり売主及び買主の双方において九階建のビル建設とその裏地としての一体的利用が売買予約の目的の一つだと認識していたとしても、右目的の存否は契約の目的物たる土地が現に存在する以上売主たる被上告人が受ける反対給付に何らの意味をもつものではない。

むしろ利用目的の喪失によつて事情変更が問題になるのは買主側にとつてであつて、本件の如く買主側たる上告人が契約の存続を主張しているのに売主側たる被上告人が事情変更による契約目的の喪失を主張し、信義則に照し予約完結権の行使が許されないと結論づけるのは本末転倒の議論というべきで、原判決には判決に影響を及ぼすべき重大な理由不備の違法及び法令の解釈適用の誤りがあるとなすのほかない。

(4) 又本件判決は昭和二九年一月二八日最高裁第一小法廷判決(民集八巻一号二三四頁)に反するものである。

尚念のため付言するに、本件は売買予約の目的物が予約完結前に消滅した場合とは全く異る。原判決は「昭和四四年一二月四日には本件土地が新幹線用地として買収されるという」事情変更を生じた(原判決八枚目裏四行目から五行目)というが、原判決の認定した昭和四四年一二月四日に本件土地が買収されたという証拠は皆無である。

本件土地は昭和四八年九月二八日福岡県収用委員会の収用裁決を経て収用されたのであつて、原判決がいうように国鉄に昭和四四年一二月四日買収されたことはない。(甲第三二号証供託書、同第三三号証土地収用裁決書)

従つて原判決の右認定は証拠に基づかない事実認定であつて、違法なものと謂うほかない。

もつとも右趣旨は昭和四四年一二月四日当時には本件土地が国鉄の新幹線用地として買収の対象となつたと解されないこともないが、国鉄の買収といつてもその法律的な性質は私法上の売買であつて、第一次的には土地所有者との間で売買契約が成立して初めて所有権が移転するのであり、土地所有者が買収に応じない場合前記の通り強制収用手続に移行するものである。

本件土地は右の通り昭和四八年九月二八日福岡県収用委員会の収用裁決を経て同年一〇月一二日本件土地代金を含む補償金が国鉄により供託されたのである。

即ち上告人の本件土地の売買予約完結の意思表示はいかなる時点をとつても契約目的物たる本件土地が法律上消滅する以前のことに属する。

従つて本件土地の所有権は上告人の売買予約完結権の行使によつて上告人に帰属し、次で上告人から国鉄に本件土地の所有権が移転されるのであるから、被上告人と上告人との間においては何ら目的物が消滅したことにはならないのである。

万一右のように国鉄の新幹線予定地となつて買収の対象となることが確実となつたことをもつて目的物の滅失と同視しうる事態となつたとしても予約完結権の行使は何ら妨げられないと解すべきである。(注釈民法(14)一〇二頁乃至一〇三頁・我妻債権各論中一三四〇頁)

二 又たとい原判決のいうように上告人の新富士ビルの建設に伴う本件土地の一体的利用が不可能となつたとしても、上告人は尚本件土地の売買予約を完結させるについて十分法的に保護されるべき利益を有している。

即ち本件土地は原判決が認定した事実によれば、先に上告人が被上告人の博労町線道路拡張工事の際買収に応じた北九州市小倉区博労町六三番四ほか二筆の宅地のうち399.53平方米の代替地の一部として売渡しを受けた同区浅野町八番一宅地2189.52平方米のうち1163.63平方米(三五二坪)の背後地である。

ところで右三五二坪の土地については当初上告人は九階建ビルの建設を計画し、該土地の背後地たる本件土地にはこれを被上告人から賃借して九階建ビルの建築完了までの仮設建物を建築し、これに右博労町の道路拡張工事のために買収にかかる土地上に存在した旧富士ビルの入居者を一時入居させ、九階建ビル建築後は本件土地ビルを新ビルの駐車場及び別館等として利用する計画であつた。(以上の事実は原判決の事実認定と全く矛盾しない)

従つて本件土地は上告人にとつてももともと上告人のビル経営のために不可欠の土地であり、又先に買受けた三五二坪の土地の効用の点からいつてもその存在は重要な意義を有することは容易にこれを窺知しうるところである。

そして右のような本件土地の有用性は単に国鉄によつて買収されることによつて消滅することはないといわねばならない。本件土地が予約完結により上告人の所有となれば、前記収用裁決による本件土地の補償金は上告人に支払われるべきことが明らかであるのみならず、又右補償金の支払により本件土地が収用されることによつて右三五二坪(先に上告人が被上告人より買収した土地)の土地自体に発生する土地利用面での価値の減少及び土地が収用されなければ右背後地を右三五二坪と一体的に利用できる経済的価値の取得という期待権喪失に対する補償が初めて可能となるのである。

従つて原判決がいうように「本件土地の利用目的である九階建ビルの裏地としての一体的利用ということが不可能になつた」としても尚先に上告人が買受けた三五二坪の土地にとつて本件土地を裏地として利用することと同等の意義を有する売買予約完結権の行使が認められる必要があることは明らかである。

原判決は本件土地を九階建ビルの裏地として一体的に利用できなくなつたことをもつて直ちに予約完結権の行使を許さないと判示するのであるが、右のように本件土地をビル敷地の裏地として一体的に利用しうるのと同等の意義を有する経済的価値及び保護さるべき法的価値を有する場合にはなお予約完結権の行使を認めるべきでありこの点において原判決は法令の解釈適用を誤つた違法があるか、あるいは本件土地を右売買予約当時に予定された本来の目的に利用できなくなつたとしても尚上告人に予約完結権を行使させるだけの法的利益が存するか否かについて審理をとげるべきであるのに何等の審理をとげていない原判決は審理不尽の違法があり、この点から謂つても破棄を免れない。〈以下、省略〉

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